藤沢Q&A


原作・脚本・演出の藤沢文翁が、『シアトリカル・ライブ版 義経千本桜』の魅力について一問一答します!

 

Q1:義経千本桜は史実ですか?

藤沢:いえ、歌舞伎の演目です。とても長い物語ですが、一番有名なのは、義経と小狐のエピソードですね。

 

Q2:それはどんな物語ですか?

藤沢:簡単に言ってしまうと、義経が持つ宝物の中に、小狐の両親の皮で作った鼓があったんです。義経がそれを狐にあげることで、狐は恩返しとして、義経を殺そうとする源頼朝の軍勢を退けてくれるという。まあ、狐の恩返しですね(笑)?

 

Q3:小狐の両親の皮で鼓を?

藤沢:人間って残酷ですよね? 昔々、桓武天皇の時代に、雨乞いをするために千年も生きてる狐のカップルを殺してその皮で鼓を作ったとされています。この演目で登場する源九郎狐という小狐は、まさにその千年白狐の子供なんですね。

 

Q4:義経は優しいですね。

藤沢:はい(笑)優しいですね。でも、単に動物好きだから鼓をあげたわけではありません。これは朝廷からいただいた天下に2つとない国宝ですので、今だったらビルが一つ建つようなお値段。それを狐にあげてしまったのは、やはり「自分は人間でありながら兄弟で殺し合いをしているのに、こいつは動物なのに、こんなにも親子の情があるのか」という心情だったからでしょうね。

 

Q5:きつねはどうやって恩返しをするんですか?

藤沢:物語の中では、兄である頼朝の手勢が攻め込んできます。狐は妖術でこれを退治します。・・・というのが歌舞伎の物語ですね。

 

Q6:では、今回はそれを再現するのですか?

藤沢:いえ違います。本作は、こういう歌舞伎のストーリーにヒントを得た完全オリジナルです。もちろん、エピソードとしてこういった話も登場しますが、基本的には歌舞伎の演目にはありません。藤沢歌舞伎だと思ってお楽しみください。

 

Q7:4年後の物語なんですよね?

藤沢:そうです。歌舞伎の義経千本桜が終わったあとの世界です。義経は無事に奥州平泉(今の岩手県)に到着しています。僕の物語はここから始まります。

 

Q8:その頃の義経はどんな状態なんですか?

藤沢:僕の物語の中では、それまで義経に付き従っていた仲間はみないなくなっています。奥州までの道のりで、義経を守るためにみんな死んでいます。実は弁慶さえも病死してこの世にいない状態なんです。

 

Q9:一人ぼっちですね?

藤沢:そう。一人ぼっちです。でも寂しいだけでなく、義経の命を狙う敵はまだ存在しています。みんな弁慶がそばについているから手を出せないでいるわけで、もし弁慶が死んだことがバレれば、義経は殺されてしまいます。

 

Q10:そこで、かつての小狐が登場するわけですね?

藤沢:そうです。久しぶりに尋ねてきたのは、意気消沈して以前とは全く別人になってしまった義経です。弁慶も病死していて、このままでは義経の命が危ない。狐はとっさに弁慶に化け、義経を守る決心をします。

 

Q11:なんだか、そこだけでワクワクしますが、今回は音楽も凄いんですよね?

藤沢:そうですね。吉田良一郎(吉田兄弟)率いるWASABIのメンバー、そして篳篥(ひちりき)など、和楽器オーケストラです。魂が震えるサウンドだと思います。

 

Q12:また特殊効果も使用する?

藤沢:しますね。妖狐が変幻自在に暴れる世界を、藤沢朗読劇のチームが全力で表現したいと思います。

 

Q13:衣装も楽しみですよね

藤沢:和装です!! 今回、全部ゼロから作ったオリジナル和装です。鎧っぽかったりするのもあるので、お楽しみに。

 

Q14:私も台本を読ませていただきましたが、台本の段階で号泣でした。

藤沢:はい(笑)今回のテーマが「泣いてもらおう」ですので、是非、たっぷりと物語の世界につかっていただければと思います。

 

Q15:最後に今回の見どころは?

藤沢:そうですね。一人で何人ものキャラクターを演じる演じ分けを生で観られるのも魅力ですし、そこに流れる最高の和楽器チームも見どころですし、衣装や特殊効果・・・うーーん。どれがとは言えませんが、今回はスタッフも凄く楽しみにしているんですよ。僕自身、これから打ち合わせやリハで何が飛び出すかわかりません。とにかく、「変幻自在」を楽しみにしてください!!